そもそもIT業界とはどんな世界?
IT=情報技術です!...なんて言われたところで、
具体的なイメージはなかなか湧きませんね。
なんか多分、パソコン使ってお仕事してるんでしょ?
かっこいいよね!っていう認識。
どんな種類があるのか、実際何をしているのか。
そして、私たちの生活にどう関わっているのか。
少しのぞいてみましょう。
IT事業のタイプ
ざっくり6タイプくらいに分けられるようです。
と、こんな感じです。
通信業界
電話やインターネットでの通信ができるように設備を作って整えてくれる企業と、
そのネットに接続できるようにしてくれる企業がこれです。
電話と言えば、NTTやソフトバンク、KDDIなど。
スマホを買い替えたり契約会社を乗り換えた時に、
ドコモ回線!とか、au回線!とかありますね。
格安の契約窓口なら、回線を選べることも。
そもそも電話やネットで通信できるようにしてくれる回線、
なくてはならない基盤を作っている事業ですね。
また、おうちでインターネットに接続する時に、
ISP(インターネットサービスプロバイダ)
なんて聞いたことはありませんか?
引っ越したらネットつながるまで時間がかかる...とか、
工事しないといけない...とか、そんな話がありますね。
上記のような企業が作ってくれた回線に
実際に繋がるようにしてくれる事業を行っている企業です。
例えば、@nifty、OCN、BIGLOBE...とか。
我々個人や、もちろん企業もそうなんですが、
インターネットに接続したかったら、
・回線を作ってくれている企業
・その回線に繋いでくれる企業
の、ふたつと契約しているんですね。
こんな感じで通信業界は、ネット回線を提供する企業と
その回線に接続するサービスを提供している企業でできています。
ハードウェア業界
パソコンやそれに繋いで使う機器、スマホ、家電など、
実際我々が見て、触って、操作しているIT機器を製造する事業です。
代表的な企業はAppleやSonyなど。
それだけではなく、ここのところスマホで家のことが
なんでもできるようになりつつあったりしますね。
外にいるのに、家の中のエアコンを操作して
スイッチのON/OFFや温度の上下ができたり。
外出先で、家にいるペットの様子を見ることができたり。
買い物に出た先で冷蔵庫の中身を確認できたり。
設置したセンサーが感知して、ネットを介して情報がとび、
アプリで確認、操作できるといった仕組みですね。
電機やガスをどれくらい使ったか計測するというのも、
この技術が使われているそうです。
スマートメーターと言います。
これらは、IoT=インターネットオブシングス
”モノのインターネット”と呼ばれています。
この他に、企業の業務の効率化にも
たくさんのIoTが使われているようです。
お店の商品の在庫管理とか、工場、鉄道、製造業、
医療、銀行やオフィスの業務管理など。
普段あんまり気にしないで生活していますが(みなさんはどうでしょう)、
サービスを受けることでたくさん恩恵を受けてるようですね。
IoTが普及することにより、この業界も活躍の場が広がっていそうですね。
ソフトウェア業界
上記が”ハード”だったのに対し、”ソフト”。
パソコンやスマホにインストールして使う、
OSやミドルウェア、アプリケーションなどを開発している業界です。
代表的な企業はMicrosoftやAppleなど。
OSとはオペレーティング(O:操作)システム(S)。
iOSやAndroidはモバイル系、windowsやMacOSはパソコン系。
この辺はきっと誰でも聞いたことがありますね。
パソコンもスマホも、そのまま存在するだけだと何もできませんから、
コンピュータとして使えるように、基本的な機能...
ソフトやアプリを動かすための土台がなければなりません。
それをできるようにするのがOSの役割というわけです。
基本ソフトウェアとも呼ばれているそうですよ。
もしかしたら、小中学校の情報だか技術だかの教科書にも書いてあったかもしれません。
アプリケーションはその名の通り、みなさんがいつも使っているやつですね。
個人的にはスマホのアプリのイメージしかないのですが、
マイクロソフトのWordやExcelもPCのアプリケーションだそうです。
OSあってのアプリなので、これは応用ソフトウェアと呼ばれています。
アプリやソフトに、iOS用とかAndroid用、Mac用やWindows用があるのは、
コンピュータをコンピュータたらしめる、地盤が違うからなんですね。
そしてミドルウェアというのが、OSとアプリケーションの橋渡しの役割で、
両方のアシスタントをしてくれるそうです。
また、これまでは、実際にPCなどにインストールして使うソフトウェアが一般的でしたが、
近年はインターネット上で利用できるものも増えています。
SaaS(サース:(S)ソフトウェア(a) アズ(a) ア(S) サービス)
サービスとしてのソフトウェア、てな感じの訳でいいのでしょうか。
確かに、PCにインストールとなると時間もかかりますし、
その分少し気合もいりますから、ブラウザ上で使えたら
機能を利用するまでのハードルはだいぶ下がる気がしますね。
ゲーム業界
文字通り、ゲームを開発しています。
テレビゲームやモバイルゲーム、オンラインゲーム...
任天堂、Sony、バンダイナムコ、ガンホーなどが大きな企業です。
ジャイロ操作ができたり、VRゲームが増えてきたり、グラフィックがめちゃくちゃきれいだったり...
ゲームに日常的に触れる方にとっては、技術に伴うクオリティの進化は身近なお話かもしれないですね。
システムインテグレーター業界
S(システム)I(インテグレーター/統合)の頭文字から、
でSIer(エスアイヤー)とも呼ぶそうです。
主に、企業から依頼されて情報システムを開発する企業のことを言います。
ネットワークの構築・運用であったり、
業務に使うシステム、Webシステム、アプリ、組み込みシステムなどを開発します。
一般的に”SE”と言われると、この業界のイメージかもしれません。
依頼する企業が、今の業務をどう便利にしたくて、どんなことができるシステムが欲しいのかを
しっかり汲み取ったうえで、技術者はそれをシステムに変換していきます。
多いのは企業の業務に関するシステムだそうですが、それも
・基幹システム
・業務支援システム
のようなタイプに分かれるそう。
基幹システム
*ERP=(E)エンタープライズ(R)リソース(P)プランニング
直訳 / 企業リソース計画
:人事や会計、在庫や販売・生産の管理をするシステム
*SCM=(S)サプライ(C)チェーン(M)マネジメント
意訳 / 供給路管理
:企業間での受発注から生産、物流や販売までを最適に管理するシステム
*会社のお財布事情(財務諸表)を管理する会計システム
*従業員の勤怠や給与を管理する人事管理システム
*販売する上での受注や在庫、売り上げや出荷を管理するシステム
*生産する上での原材料費や生産計画、出来上がるまでの工程などを管理するシステム
...など。
業務支援システム
*CRM=(C)カスタマー(R)リレーションシップ(M)マネジメント
直訳 / 顧客関係管理
:顧客ごとにデータを集め分析し、販促や営業などをお助けするシステム
*SFA=(S)セールス(F)フォース(A)オートメーション
意訳 / 販売力効率化
:営業支援システム。販売員や顧客ごとに情報収集や管理分析をする。
*プロジェクトの進捗や変更、リスク、品質や構成、書類など全体を管理するシステム。
*ナレッジマネジメントシステム
:企業内部の書類や情報などを管理し、検索できたりする。
*グループウェア
:スケジュール管理や電子決済、ファイル共有、電子掲示板、予約など組織内で情報共有できる。
*データマイニング(分析)システム
:自社の売り上げや競合他社の動向、製品などのデータを分析し、経営や業務方針を決める手助けをする。
ちなみに組み込みシステムとは、テレビやスマホ、洗濯機などの家電や、自動車、製造ロボットなどに組み込まれたシステムのこと。
何かの動作に特化しているので、プログラムが完了している状態で出荷されるのが特徴です。
Web業界
Web業界の中でも、三つに分けられるようです。
・Web系自社開発企業
・Web制作系企業
・Web受託系企業
Web系自社開発企業は、インターネットを使い、需要により仕様が変化し続けるサービスを自社で開発しています。
例えば、TwitterやInstagramなどのSNS、Yahoo!ニュースなどのニュースサイト、YoutubeやTiktokなどの動画、SpotifyやAppleMusicなどの音楽...
といったメディア系のサービス。
上記メディア系の収入源となる広告テクノロジーを提供する企業ーー
例えば、Youtubeで流れる広告や、無料のスマホゲームなどで表示される広告などは
これらの企業が提供しているサービスです。
主にGoogle、日本だとサイバーエージェントやオプトといった企業が代表的だとか。
それから、Amazonや楽天、ZOZOなどのネットショップ、
PaypalやPayPayなどの決済サービス...
といったEC(電子商取引)。
また、ソーシャルゲーム系(モバイルゲーム系)は、SNS上で遊べるゲームを提供する企業。
スマホ上で遊べるゲームとは分類が違うようです。
それから、X-tech系とよばれる類もあります。
いろいろなビジネス分野とテクノロジーの融合、といったニュアンスで、
金融×テクノロジー=Fintech(フィンテック)
教育×テクノロジー=Edtech(エドテック)
食×テクノロジー=Foodtech(フードテック)
ファッション×テクノロジー=Fasiontech(ファッションテック)
と、呼ばれています。
Web制作企業は、企業や個人のWebサイトの制作を行う企業です。
Webデザイナーとかって、よく耳にしますね。
ワードプレスというCMS(コンテンツ管理システム)を使ったり、プログラミング言語などを使って、サイトの見た目を構築します。
Web受託系企業は、Webサービスやスマホアプリ等の受託開発を行います。
前述のSaaSの広まりにより、システムインテグレーターとの境目がかなり曖昧だそうです。
Web上のシステム例
*CMS=(C)コンテンツ(M)マネジメント(S)システム
直訳 / コンテンツ管理システム
:ウェブサイトのテキストや画像などを管理、配信(発信)を支援するシステム。サイトやブログを作れるワードプレスなど。
*企業ポータルシステム
:組織内の情報共有やコミュニケーションなどのために、テキストや画像などを管理、配信を支援。CMSはオープンに発信するものだが、こちらは企業内という閉じたコミュニティ用。
*EC構築システム
:商品紹介や注文、顧客管理から受注・商品管理、売り上げ集計や分析、決済など、ネットショップをするために必要なシステム全般。
*ログ解析システム
:自分たちのサイトにアクセスしてくれたユーザーの集計や分析をするシステム。
*セキュリティ管理システム
:セキュリティソフトやライセンス、パッチ管理(不正なやつの抜け穴塞ぎ)、ログ管理などでセキュリティ管理を支援。
いかがでしたか。
なんとなく、”IT業界”と言われているものの全貌が見えてきたでしょうか。
用語はイメージしやすく言い換えたつもりですが、
もし伝わりづらいところがありましたら教えてくださいね。
もう少し細かい分類や、実際の職種、お仕事内容なども掲載してきますので、
よければそちらもご覧ください。
参考にさせていただいた書籍やサイト
※順不同・敬称略
・Web系エンジニアになろう / 実業之日本社 / 勝又健太 著
・世界一わかりやすいIT業界のしくみとながれ / ソシム / イノウ 編著
・ISPとは?
・IoTでできること